日本では「おはようございます」、「こんにちは」などの挨拶はとても大事です。
では、インドネシアではSelamat pagi(おはようございます)のような挨拶はとても大事なのでしょうか?
正直言って、日本ほどには大事ではありません。
ですので、せっかく頑張って、インドネシア語の挨拶を覚えても、思ったより役に立たないものなのです。
その3つの理由を以下、ご紹介しますね。
言葉ではなく動作で挨拶することが多いから
インドネシアの人々は、顔見知りの人や、毎日のように会う人に会った時は、男の人にはPa(パ)、女の人にはBu(ブ)と言ってほほ笑むだけです。
PaやBuと言うのを省略して、微笑むだけのことも多いです。
久しぶりに会う人や、初めて会う人とは、握手をしたり、両手で手を取りあったりもします(基本的には同性同士の場合ですが)。
そういったときに、間違ってもSelamat pagi(おはようございます)とは言いません。
微笑んだり、手を取りあったりという動作の方が重要なのです。
他人行儀だから
Selamat pagiなどの挨拶の言葉は、演説や放送、公の場所、改まった場所で使用されます。
自分の家族や友人、同僚、近くに出入りしている人などには使わないのが基本です。
20年ぐらい前、インドネシアの人に「なぜインドネシア人は挨拶しないの?」と聞いたことがあります。
そうしたら、次のような答えが返っていました。
「挨拶というのはここでは他人行儀なのよ。」
改まった場があまりないから
Selamat pagiなどの挨拶の言葉が役に立たないのは、あなたが改まった場にはあまり登場していないことをあらわしているかもしれません。
でも、がっかりしないでください。
大勢の前で話したり、会社や役所に出入りしている人は、自ずとSelamat pagiのような挨拶が必要になってきます。
さいごに
私がインドネシアで留学をしていた時、ある日本語教室でアルバイトをしていました。
私がその教室に出向く時、受付のお姉さんに最初に会います。
いつも、そのお姉さんとは笑顔で挨拶をしていました。
正しくは「笑顔だけで」挨拶をしていました。
そういうものだと、私はもう知ってたので、何も言わずに笑顔だけで挨拶をしていたのです。
帰る時は「帰るね」っていう感じで帰っていました。
それは実にインドネシア的な挨拶の仕方なので、何も問題はありませんでした。
でも、ある日、私は「本当は挨拶したいのに」という思いが胸に込み上げてきたのです。
その思いを我慢して受付のお姉さんに「なぜインドネシア人は挨拶しないの?」と聞いたら、「挨拶というのはここでは他人行儀なのよ」と言われたのでした。
ですので、インドネシア語の挨拶が例え役に立たなくても、落胆していると時間の無駄です。
その時間で、黙々と他の単語や文例を暗記するようにしてくださいね。